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日外会誌. 119(6): 636-643, 2018


特集

小児短腸症候群・小腸機能不全の最前線

5.腸内細菌叢コントロールの最前線

国立成育医療研究センター 臓器・運動器病態外科部外科

金森 豊

内容要旨
腸内細菌の解析が始まったのは約100年前である.そして細菌培養法による腸内細菌叢の全容が明らかになって数十年が経過した.さらに1990年代後半からは細菌遺伝子解析法による腸内細菌叢解析が始まり,新たな知見が現在飛躍的に増加している.このような歴史の中で,われわれは20年前から小児外科疾患患児の腸管機能不全症に対して,シンバイオティクス療法(プロバイオティクスとプレバイオティクスを併用する治療法)を施行して腸内細菌叢改善と同時に患児の栄養改善が得られることを示してきた.今後は,FMT(fecal microbiota transplantation)やSMT(selective microbiota transplantation)といった健常人の腸内細菌叢をまとめて移植する方法やある一定の数の有用菌を選んで移植する方法など,新しい形のプロバイオティクスが開発されることが期待されている.

キーワード
プロバイオティクス, プレバイオティクス, シンバイオティクス, 腸内細菌叢


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