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日外会誌. 119(6): 623-628, 2018


特集

小児短腸症候群・小腸機能不全の最前線

3.新生児壊死性腸炎の最新の知見

大阪大学 小児成育外科

田附 裕子

内容要旨
近年の周産期医療の進歩により極低出生体重児の救命率は著しく向上しているが,壊死性腸炎(Necrotizing enterocolitis:NEC)の死亡率は依然高く,本邦で行われた調査でも低出生体重児の壊死性腸炎発症後の死亡率は30%以上である.本邦でも2016年には治療成績の向上を目的にMinds基準でのガイドラインが作成され,未熟性に対する出生前の母体ステロイド投与,母乳栄養およびプロバイオティクスの使用が壊死性腸炎の予後良好因子であるエビデンスが示されている.一方,基礎研究では,壊死性腸炎の発症メカニズムの解明に注目が集まっている.今後,これら研究結果が応用可能となり,壊死性腸炎の予後がさらに改善することが期待される.

キーワード
壊死性腸炎, ガイドライン, 予防法, 病態, 基礎研究


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