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日外会誌. 124(4): 324-331, 2023


特集

外科的冠動脈血行再建術の現状と展望

3.Off-pump CABGとOn-pump CABG

JA長野厚生連北信総合病院統括院長,東京医科歯科大学名誉教授 

荒井 裕国

内容要旨
Off-pump CABG (OPCAB)は,人工心肺を用いないCABGとして2000年代初頭に急速に発展し,本邦では現在,単独CABGの57%で施行されている.現在までに多くのOn-pump CABG (ONCAB)との無作為比較試験,メタ解析が行われているが,OPCABの有効性に関する評価は,未だに議論が分かれている.OPCABによる周術期脳梗塞のリスク軽減効果は明らかであるが,無作為比較試験においては生命予後に関する明らかな優位性は証明されていない.これは,無作為比較試験ではリスクの低い症例が対象となるためと考えられる.OPCABの有効性は,術前の予測死亡リスクが高くなるほど顕著になり,術者の習熟度によっても左右される.術者がOPCABに習熟していないと不完全血行再建率が高くconversion率も高くなり,結果的に遠隔成績が悪化する.一施設当たりのCABG数が限られている本邦においては,手術チーム全体としての習熟度を保つためにも一定数以上のOPCABを日常的に施行することが必要であり,全国平均で50%台のOPCAB施行率は妥当と思われる.今後は,パイオニア的役割を果たしてきたOPCAB第一世代の外科医から次世代外科医への技術の伝承が課題である.

キーワード
Off-pump CABG, OPCAB


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