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日外会誌. 123(5): 409-415, 2022


特集

低侵襲膵切除術の進歩

6.腹腔鏡下膵体尾部切除術(RAMPS含む)

国立がん研究センター中央病院 肝胆膵外科

伴 大輔 , 奈良 聡 , 高本 健史 , 水井 崇浩 , 江崎 稔 , 島田 和明

内容要旨
腹腔鏡下膵体尾部切除(LDP)は良性・境界悪性病変だけでなく膵癌に対しても行われるようになってきた.2021年に本邦において,安全に低侵襲膵切除を行うための国際会議Precision anatomy for minimally invasive hepatobiliary pancreatic surgery : PAM-HBP Surgery Projectが行われた.拡大視効果によって明らかになってきた詳細な解剖と,腹腔鏡下特有のアプローチに焦点をあて,安全に低侵襲膵切除術を行うための知見について共有するコンセンサス会議であった.これまで大規模な後ろ向き観察研究によると,開腹手術と比較してLDPは手術出血量の低下,早期回復という点で優位であり,合併症,死亡率は同等であった.膵癌に対しても開腹手術と同等のR0切除率,リンパ節郭清が報告されており,予後としても開腹手術と同等であった.近年,米国のNational Cancer Databaseからプロペンシティスコアで患者背景,腫瘍因子をマッチングして解析を行い,LDPとロボット支援手術を含む低侵襲手術の方が良好な生存率を示しているという報告があるが,潜在的な選択バイアスを含んでいる可能性があり,今後のランダム化比較試験の結果をもとに慎重な評価が必要である.

キーワード
腹腔鏡下膵体尾部切除, LDP, MIDP, Lap-RAMPS


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