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書誌情報]
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日外会誌. 104(6): 439-442, 2003
特集
膵囊胞性疾患の新展開-IPMTを中心に-
2.IPMTの病理
I.内容要旨画像診断の進歩により,IPMT(intraductal papillarymucinous tumor)が多数見出されるようになった.IPMTは組織像が多彩で,過形成から浸潤癌まで,すなわち,hyperplasia-adenoma-carcinoma sequenceに由来する膵管内病変がみられ,multicentricにも発生する.IPMTでは組織学的不均一性histologic heterogeneityと遺伝子異常の不均一性genetic heterogeneityがみられる.このような組織学的・遺伝子学的多様性がIPMTの特徴であり,進行が遅く予後が良い理由とされている.しかしながら,一部のIPMTはaggressive clonal progressionによりmalignant transformationをきたし,浸潤癌に変化していく.すなわち,通常型浸潤癌の一部はIPMTを経由したものである. IPMTと通常型浸潤性膵管癌はともに膵管上皮から始まるが,発生膵管の太さ,発育様式,遺伝子異常,予後などが異なり,別個の腫瘍と考えられている.今後,発癌機構の解明に基づく両者の異同が検討されるであろう.
キーワード
IPMT, histologic heterogeneity, genetic heterogeneity, aggressive clonal progression, malignant transformation
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