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日外会誌. 99(4): 241-244, 1998


特集

肝細胞癌外科治療の現況

8.系統的切除術

1) 東京大学 医学部第2外科
2) 国立がんセンター中央病院 外科

高山 忠利1) , 幕内 雅敏1) , 山崎 晋2) , 小菅 智男2) , 山本 順司2) , 島田 和明2)

I.内容要旨
われわれは慢性障害肝から発生した肝細胞癌に対する合理的術式として系統的亜区域切除(systematic subsegmentectomy)を開発し積極的に実践してきた.腫瘍進展が1亜区域に限局し,肝機能から見て区域切除・葉切除が施行困難な症例を対象に適応した.163例の臨床成績から,亜区域切除の高い安全性(術死率0.6%,合併症率11%)および良好な長期予後(5年生存率51%)を確認した.小さな肝細胞癌であっても微視的癌進展(門脈侵襲41%,肝内転移31%)および切離近傍再発が少なくないので,肝機能が許す範囲で可及的に本術式を第一選択にすべきである.肝細胞癌の長期成績を決定する外科側の因子は,肝切除における系統性の追及である.

キーワード
肝細胞癌, 肝切徐, 系統的切除


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