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日外会誌. 92(2): 118-121, 1991


原著

胃癌における核内増殖関連抗原 p105の発現と悪性度

金沢大学 医学部第2外科

米村 豊 , 大山 繁和 , 木村 寛伸 , 小板 健夫 , 山口 明夫 , 三輪 晃一 , 宮崎 逸夫

(1990年1月18日受付)

I.内容要旨
胃癌51例の原発巣を用い抗p105 monoclonal antibodyによりp105の発現を検討した.flow cytometryによるPI-FITC二重染色ではp105はcell cycleの進行とともに発現量は増量し,G2,M期ではG0,G1期の5~10倍量に達した.免疫組織学的に測定したKi-67標識細胞率とp105陽性細胞率は正の相関を示した.リンパ節転移陽性例のp105陽性細胞率(34.2±10.1%)は陰性例の陽性率(24.7±9.6%)より有意な高値を示した.またリンパ管侵襲陽性例,漿膜浸潤陽性例のp105陽性率は陰性例に比較し有意に高かった.以上よりp105陽性細胞率は胃癌の増殖活性,悪性度を現す良い指標となると考えられた.

キーワード
p105, 増殖関連抗原, 胃癌の悪性度


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