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日外会誌. 91(11): 1731-1735, 1990


原著

乳癌集検における C モード表示超音波診断装置の有用性の検討

*) 京都府立医科大学 第1外科
**) 宇治病院 外科

松井 道宣*) , 小島 治*) , 山根 哲郎*) , 高橋 俊雄*) , 田村 幸男**) , 竹本 洋一**) , 蔭山 典男**)

(1989年8月17日受付)

I.内容要旨
医師不在で施行し得る乳癌集検用装置として,Cモード表示超音波診断装置の有用性を検討した.過去3年間に乳腺外来を受診した2,018例のうち腫瘤(+)であり,かつ組織的診断が得られた97例を対象とした.Cモード法の腫瘤検出率は82.5%であった.一方,マンモグラフィーでは72.2%であった.腫瘤径別には,Cモード法は,5.0cm以上では100%,5.0cm以下では87.5%,2.0cm以下では74.2%の検出率であった.特に,1.0cm以下の早期乳癌の検出率は66.7%であった.そのうち組織学的に癌と診断された43例に対するCモード法の質的診断能は,sensitivity 88.2%,specificity 66.7%,predictive value 58.8%であった.乳癌では,Cモード上,辺縁不整(70.6%),内部エコーの平均一(88.2%),malignant halo(61.8%)の出現頻度が高かった.Cモード法は存在診断能に優れており,医師不在で行い得る装置として一次検診の場において二次検診への拾い上げに有用であると考えられた.

キーワード
乳癌の超音波診断, Cモード超音波装置, 乳癌集団検診, マンモグラフィーとCモード法,  


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