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日外会誌. 121(2): 229, 2020

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生涯教育セミナー記録

2019年度 第27回日本外科学会生涯教育セミナー(中部地区)

「各分野のガイドラインを紐解く」によせて

日本外科学会教育委員会中部地区委員長,名古屋大学大学院医学系研究科小児外科学 

内田 広夫

(2019年4月7日受付)



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第27回日本外科学会生涯教育セミナーのテーマは「各分野のガイドラインを紐解く」であった.ガイドラインに示された根拠を紐解くことで疾患・治療の理解を深めることを目的として開催された.今回の中部地区生涯教育セミナーは愛知医科大学消化器外科教授 佐野力先生が会長を務めた第297回東海外科学会に併設して行われたため,佐野教授にセミナーの構成を委託し,愛知医科大学本館たちばなホールで2019年4月7日に行われた.最初に愛知県がんセンター中央病院消化器外科 安部哲也先生に食道癌の集学的治療について,ガイドラインの根拠となったエビデンスや最新の知見に関して解説していただいた.続いて2019年7月に改訂される膵癌診療ガイドラインについて,静岡県静岡がんセンター肝胆膵外科 上坂克彦先生が講演された.膵癌診療における進歩はめざましく,新たなエビデンスが次々と創出されている現状についても言及されていた.次に大腸癌について愛知医科大学臨床腫瘍センター 三嶋秀行先生から2019年版大腸がん治療ガイドラインについて,改訂の要点を中心に講演して頂いた.ガイドラインを熟読することで知識向上および,治療方針の説明などにおいて患者からの信頼度がより高まることを期待されていた.最後に胃癌治療ガイドラインに関して,岐阜大学腫瘍外科 吉田和弘先生から講演していただいた.最新のガイドラインでは臨床試験のエビデンスに則るだけではなく,日常診療に鑑みて,「推奨されるレジメン」と「条件付きで推奨されるレジメン」に分けられたことなども概説された.
いずれのガイドラインも内容を熟知した上で,ガイドラインに沿うべきか,患者の状況に応じてカスタマイズするべきかを総合的に判断して治療するのが正しい使い方であることがわかる興味深い講演であった.130名の出席者を得て有意義なセミナーとなったことに,佐野教授はじめ関係各位に深謝したい.

 
利益相反:なし

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