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日外会誌. 127(5): 510-515, 2026
特集
外科医の職場環境改善に向けた現状と課題
7.乳腺外科医の職場環境改善に向けた現状と課題
内容要旨
乳癌診療は近年,外科治療のみならず薬物療法,放射線療法,支持療法を含む高度な集学的医療へと発展し,乳腺外科医に求められる役割も大きく変化している.一方で,働き方改革やダイバーシティ推進の流れの中,乳腺外科領域では女性医師比率が急速に上昇しており,出産・育児とキャリア形成を両立できる職場環境の整備が重要な課題となっている.現在,日本乳癌学会の新規入会者の多くを女性が占め,若手世代を中心に女性比率はさらに増加している.しかしその一方で,地方における専門医不足や地域偏在,中堅層不足,復職時の知識更新の困難さなど多くの課題が存在する.さらに乳癌治療は分子標的薬や免疫療法の導入により急速に高度化しており,外科医のみで薬物療法を担い続けることには限界が見え始めている.しかし日本では腫瘍内科医が不足しており,専門医制度上の制約もその背景にある.今後は,時短勤務やタスクシフト,オンライン教育を活用した復職支援に加え,手術・薬物療法・研究など多様なキャリアパスを認める柔軟な組織づくりが必要である.また,均てん化と集約化を両立した持続可能な乳癌診療体制を構築するためには,医療機関,学会,国レベルが連携し,専門医制度を含めた制度設計を再検討する必要がある.
キーワード
女性医師, 地域偏在, 専門医制度, 働き方改革, 集学的治療
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