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日外会誌. 127(5): 516-522, 2026


特集

外科医の職場環境改善に向けた現状と課題

8.小児外科における職場環境改善に向けた現状と課題

1) 一般社団法人日本小児外科学会理事長 
2) 鹿児島大学 学術研究院医歯学域医学系小児外科学分野

家入 里志1)2) , 矢野 圭輔2) , 松久保 眞2) , 山田 耕嗣2)

内容要旨
2024年4月より医師の時間外労働上限規制を柱とした「医師の働き方改革」が開始された.しかし,小児外科は新生児から15歳までの幅広い疾患を対象とし,急性腹症,外傷,新生児外科疾患など緊急対応を要する症例が多いことから,一般外科以上に働き方改革への対応が困難な診療領域である.さらに,本邦の小児外科医療は少子化の進行,小児外科医の地域偏在,外科医志望者の減少など複数の課題を抱えており,特に地方では少人数の小児外科医が24時間365日の診療体制を維持している現状がある.その結果,勤務間インターバルの確保や連続勤務時間の制限など,制度上求められる労務管理と実際の診療現場との間に大きな乖離が生じている.
本稿では,本邦における小児外科医の勤務実態とその課題を概説するとともに,自施設におけるオンコール体制への移行,チーム医療の推進,多様な勤務形態への対応などの取り組みを紹介した.さらに,持続可能な小児外科医療体制の構築に向けて,診療機能の集約化,地域連携の強化,タスク・シフティング,遠隔医療の活用などの必要性について考察した.今後は個々の小児外科医の献身に依存する体制から脱却し,医療の質と安全性を維持しながら持続可能な診療体制を構築することが求められる.

キーワード
医師の働き方改革, 小児外科, 労働環境, 集約化, 機能分化


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