[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (1017KB) [会員限定]

日外会誌. 126(2): 149-155, 2025


特集

外科医の働き方改革

5.女性外科医における働き方改革

大山記念病院 心臓血管外科

福田 和歌子

内容要旨
2024年4月から医師の働き方改革が施行され,病院勤務のすべての医師の長時間労働が制限されるようになった.医療現場では女性医師の出産,育児休暇や時短勤務などによる制約で現場が回らなくなり,男性医師や独身医師の負担が増大しているという懸念がある.日本では近年,女性医師の割合が増加しているが,女性医師の多くは出産や育児のために職場を離れ,出産を機に非常勤に転換するケースもある.外科は長時間手術や緊急呼び出しも多く,外科専門医取得の時期は女性外科医のライフイベントと重なることが多い.「ジェンダー平等」と叫ばれる世の中ではあるが,日本では家事,育児,介護は女性がやるもの,という意識がまだ根強く残っている.わが国では少子高齢化が進み,労働力不足はますます深刻になるであろう.女性外科医が働きやすい環境は男性外科医が働きやすい環境でもある.男性医師,女性医師ともに多様な働き方,個人のニーズが許容され,キャリア継続がサポートされるような医療現場の構築が重要である.

キーワード
働き方改革, 女性外科医, 出産・育児


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。