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日外会誌. 119(1): 18-23, 2018


特集

医療の質向上のための取り組み―心臓血管外科―

3.心臓・大血管手術におけるデータベース事業

三井記念病院 

髙本 眞一

内容要旨
医療の質の改善を評価するためには過程,成果が大切であり,データベース事業はそのために適切な事業である.本邦では2000年から日本心臓血管外科手術データベース事業(Japan Cardiovascular Surgery Database:JCVSD)が始まり,2012年には専門医制度と連携を取ることにより,ほぼ全施設での全例が登録されるようになった.事業の中で大切なのは正確な入力で,サイトビジット検討委員会で入力方法につき,検討している.2013年,2015年手術成績で問題があると考えられる施設に関して匿名化した上で特別サイトビジットを行い,問題点をカンファで討議し,報告書を施設長に提出した.2016年からwebで約40の施設とカンファランスを行うことができるようになり,効率がよくなった.この結果,特別サイトビジットを行った多くの施設では2年後ぐらいからそれぞれの施設で手術成績の改善が認められるようになった.2017年9月にJCVSDとして心臓血管外科全域の報告書を発行し,今後の本邦の心臓血管外科の質の改善に貢献できることが期待される.

キーワード
医療の質, 日本心臓血管外科手術データベース(JCVSD), 特別サイトビジット, webカンファランス


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