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日外会誌. 114(4): 186-191, 2013


特集

進行肺癌に対する拡大手術―最近の動向―

5.パンコースト肺癌

聖隷三方原病院 呼吸器センター外科

棚橋 雅幸 , 丹羽 宏

I.内容要旨
パンコースト肺癌は,これまで胸痛や腕神経叢浸潤による上腕,前腕部痛を伴う予後不良な疾患とされていたが,外科治療の発展,化学療法,放射線療法の進歩に伴うtrimodality therapyの導入によりその治療成績が大きく改善している.本肺癌は重要な血管,神経が存在する胸郭入口部において様々な形で周囲臓器に浸潤しており,外科的アプローチを困難なものにしている.しかし,完全切除による予後改善を目指して種々のアプローチが開発され,近年では腫瘍の局在によって適切なアプローチが選択されるようになった.Induction chemoradiotherapy後に施行する外科治療は過大侵襲となることもあり,手術により利益を得られる症例を適切に選択するとともに,より手術侵襲や合併症を減らすための工夫を積み重ねていく必要がある.

キーワード
パンコースト肺癌, 肺尖部胸壁浸潤癌, superior sulcus tumor, anterior apical tumor, trimodality therapy


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