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日外会誌. 125(2): 104, 2024

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特集

外科におけるRCT―top journalへの道―

1.特集によせて

京都大学 肝胆膵・移植外科

波多野 悦朗



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新しい検査,治療や薬剤などの有用性を評価するためには無作為化比較試験 (RCT) が必須で,外科においても多くのRCTが行われてきた.しかし,その多くのRCTはサンプルサイズやquality controlに関して問題があり,過去には外科のRCTは茶番だと言われた時期もあった.今から20年前には,「外科におけるRCTの問題点」というタイトルで商業雑誌の特集が組まれていたが,その問題点は解決したといえるのか?
それぞれの外科領域で,クリニカルクエッションに真摯に向き合い,入念に試験デザインを練って,研究グループでの症例集積を行い,top journalに掲載された仕事がいくつかある.
「外科におけるRCT―top journalへの道―」と題して,それぞれの研究がtop journalに掲載されるまでの苦労,秘話を明かしていただくことが,臨床でのクリニカルクエッションを解決するために,さらに,これからRCTを企画しようと思う若手外科医に有益と考え,本特集を企画した.それぞれの外科領域でRCTを遂行する困難度は異なる.top journalに掲載されるには良質の RCTが必須であるが,それに変わる手段はないのか?top journalへの掲載の比率が減少している日本の状況を打破するためにも,この特集が役立つことを期待したい.

 
利益相反:なし

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