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日外会誌. 127(2): 164-171, 2026
特集
ICI時代の外科治療
3.切除不能進行食道癌におけるConversion手術
内容要旨
近年,免疫チェックポイント阻害剤(ICI)を含む全身療法の導入により,切除不能進行食道癌に対する治療戦略は大きく変貌している.Conversion手術(conversion surgery: CS)は,初診時に切除不能とされた症例が薬物療法や化学放射線療法によって切除可能となった場合に行われる手術であり,cT4局所進行癌や遠隔転移を伴うcM1症例が対象となる.cT4症例に対しては,従来の化学放射線療法や3剤併用化学療法を含む導入療法後にCSでR0切除が得られた場合に長期予後が期待できることが既報で示されており,一定のエビデンスが蓄積している.とくにcT4食道癌に対する根治的化学放射線療法後のCS(Salvage手術)は残された唯一の根治治療となるが,高難度・高リスク手術であるため,その適応や手術手技,周術期管理の要点を十分認識しておく必要がある.一方,cM1症例ではICIベースの導入療法により強力な全身制御が可能となり,CSが検討される機会が増えているが,有効性・安全性に関するエビデンスは依然として乏しい.CSの適応基準,至適タイミング,消失した遠隔転移巣の扱い,免疫関連有害事象や術後ICI再開の是非など多くの臨床課題が残されている.ICI時代における食道癌外科治療の役割を再定義することが,長期予後改善に資する戦略構築に繋がると考えられる.
キーワード
Conversion手術, 食道癌, T4, M1
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