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日外会誌. 126(3): 247-253, 2025
特集
進行胃癌治療の現状
4.胃癌化学療法における外科医の役割とタスクシフト
内容要旨
近年,分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤の開発により,進行胃癌の治療選択肢は大きく広がった.バイオマーカーの解析も進み,個別化治療が現実のものとなりつつある.これまで胃癌に対する化学療法は外科医が中心となって行ってきたが,新規薬剤の副作用管理や薬物相互作用の把握には専門的な知識が求められることから,タスクシフトの重要性が高まっている.内科医による化学療法管理は,より適切で効果的な治療を可能にし,外科医は手術や周術期管理に集中できるようになる.働き方改革を見据えた業務量の削減や超過勤務の削減,医療の質の向上も期待できる.ただしタスクシフト後も外科医の役割は重要であり,手術適応の判断や手術タイミングの決定には外科医の専門性が不可欠である.外科医は内視鏡やロボットを使った低侵襲手術の精度を上げることに力を注ぎつつも,進歩する化学療法の動向を絶えず注視し続ける必要がある.
キーワード
進行胃癌, 化学療法, バイオマーカー, タスクシフト
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