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書誌情報]
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日外会誌. 126(1): 10-15, 2025
特集
少子化時代のこどもの外科医療のあり方
2.小児外科医からみたこどもの外科医療のあり方
内容要旨
小児外科医療は,子供の発達特性に基づく独自のアプローチが必要であり,成人の外科医療とは大きく異なる.小児特有の解剖学的・生理学的特性,疾患の多様性と希少性に対応するための高度な専門性が求められ,近年の医療技術の進展により,低侵襲手術やロボット支援手術の技術向上が重要となっている.また,症例数の減少による若手医師の技術習得の課題に対応するため,シミュレーション教育や地域連携による症例集約化が必要である.加えて,患者中心の医療や家族支援,チーム医療の充実,長期的なフォローアップなど包括的なケアが求められる.出生数減少による症例数の減少は短期的には課題であるが,1例ごとの治療を精密かつ包括的に行うチャンスとも捉えられる.今後の小児外科医療の発展には,専門性の維持,医療資源の効率的な分配,社会的支援の強化,遠隔医療の活用などが不可欠である.
キーワード
小児外科医療, 低侵襲手術, 症例経験, ロボット支援手術, チーム医療
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