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日外会誌. 125(1): 22-29, 2024


特集

学会活動,診療・研究にSNS等のツールをどう活用するか

3.学会活動におけるSNSの活用と留意点―日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の取り組み―

1) 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会広報委員会 
2) 地域医療機能推進機構大阪病院 耳鼻咽喉科
3) 新潟大学 医学部耳鼻咽喉科頭頸部外科
4) 国立がん研究センター東病院 頭頸部外科
5) 太田総合病院 中耳内視鏡手術センター

前田 陽平1)2) , 高橋 剛史1)3) , 松浦 一登1)4) , 欠畑 誠治1)5)

内容要旨
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会ではX(旧Twitter)とYouTubeを用いた医療啓発活動を行っている.2023年8月現在,Xはフォロワーが2万人,YouTubeのチャンネル登録者が4,200人となっている.内容としてはその大半が一般向けの医療啓発である.耳鼻咽喉科頭頸部外科領域は境界領域も多く,非医療関係者に正しい耳鼻咽喉科頭頸部外科に関する医療情報を届けるとともに,耳鼻咽喉科頭頸部外科の診療領域について認知してもらうことを主たる目的としている.また,Xにはアンケート機能があり,これを用いて疾患認知度について調査することで,啓発活動に役立てている.さらに,YouTubeでは耳鼻咽喉科月間・頭頸部外科月間などに合わせて一般向けの動画を作成している.作成者には動画作成のガイドラインや8原則を提示し,これを守るように依頼している.学会がSNSの中で正確な情報を提供することは,SNSの世界で少しでも非医療従事者が正確な情報に出会いやすくする効果もあると思われるとともに,学会公式の情報は「非医療従事者が根拠とするべき専門家の推奨する,アクセスしやすい情報である.」という医療情報のあり方の啓発にもつながるのではないかと期待している.一般に,医学系学会がSNSを用いた啓発活動を行う場合,その目的と対象が重要となる.SNSは啓発の手段であって目的ではなく,SNSを用いた啓発の目的を考えることが第一歩となるだろう.今後,さらに多くの学会で医療啓発の機運が高まることを期待している.

キーワード
医学系学会, 広報, Twitter, YouTube, X


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