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日外会誌. 122(2): 160-165, 2021


特集

肝胆膵領域腫瘍におけるBorderline resectable/Marginally resectableとは
―術前治療の可能性について―

5.肝門部領域胆管癌

横浜市立大学医学部 消化器・腫瘍外科学

松山 隆生 , 藪下 泰宏 , 本間 祐樹 , 三宅 謙太郎 , 中山 岳龍 , 清水 康博 , 熊本 宜文 , 遠藤 格

内容要旨
肝門部領域胆管癌は依然切除後予後が不良な疾患であり,さらなる切除成績向上のためには,術前化学療法の導入も検討されている.したがって,どのような症例が術前化学療法の適応であるか,どのような症例に導入すれば治療成績の改善が得られるかは非常に重要な問題である.肝門部領域胆管癌同様に切除成績が不良である膵癌においては,2004年から切除可能性の判定基準が設けられており,切除可能境界例“borderline resectable”に対しては積極的な術前化学療法が試みられ切除成績の改善に寄与している.肝門部領域胆管癌においても同様の判定基準が必要であるが,切除不能・切除限界に関する議論にも未だコンセンサスが得られていないのが現状である.確かに術前治療として行うには十分な抗腫瘍効果を持つ治療法の確立が必要であるが,切除症例がかなり蓄積された今こそ多くの施設が経験した切除後予後不良因子の検討を基にして,何をもって“borderline rresectable”とするのか,議論を始めても良いと思われる.

キーワード
肝門部領域胆管癌, borderline resectable, 術前治療


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