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日外会誌. 118(3): 276-280, 2017


特集

外科医に求められる倫理

3.臓器移植

独立行政法人国立病院機構米子医療センター外科,副院長 

杉谷 篤

内容要旨
歴史的に医療不信の標的となった臓器移植医療のなかで,移植外科医に求められる倫理は非常に厳しい.腎臓,肝臓,心臓の移植が成功するとともに,脳死問題が医学だけでは解決できない最大の課題として討議されてきた.関連学会を中心とした倫理指針の整備,認定医制度も構築されてきたが,改正臓器移植法施行後も臓器提供は少ないままである.脳死や摘出された臓器に関する倫理問題の根源を理解するには,日本人の死生観に対する洞察が必要で,移植外科医は技術や知識の研鑽に加え,他分野の考えを学び,社会活動に参画することが求められている.

キーワード
臓器移植, 倫理, 脳死, 死生観, 腎移植


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