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日外会誌. 106(5): 338-343, 2005
特集
心血管疾患合併症例の非心臓手術における評価と管理
5.大動脈瘤合併例
I.内容要旨
胸部大動脈瘤(TAA)また腹部大動脈瘤(AAA)を合併した脳動脈瘤,脳腫瘍,内頸動脈狭窄症,肺腫瘍,腹腔内疾患,また尿路系腫瘍の治療法については種々の報告があるが,未だ統一されていない.手術法としては同時手術と分割手術があり,それぞれ利点,欠点を有している.同時手術は入院日数の短縮,経費削減,複数切開を避けるなどの利点があるが,人工血管の感染防止に注意を要する.同時手術と分割手術の選択は2疾患の組み合せ,動脈瘤の大きさ,非心臓血管系疾患の重症度などが関与する.脳・頸部病変とTAAまたAAAの合併例は前者を先行し,後者は2期的に施行する.肺腫瘍とTAAの合併例は同時手術を選択し,AAAとの合併例は同時,また分割手術が選択される.TAAと腹腔内,また尿路系疾患との合併例に対しては分割手術が選択され,AAAとの合併例では主に同時手術が選択される.ステントグラフト留置術はTAAまたAAAを合併した非心臓血管疾患の治療法として,今後さらに有用性が高まってくると思われる.
キーワード
胸部大動脈瘤, 腹部大動脈瘤, 脳・頸部疾患, 肺腫瘍, 腹部疾患
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