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日外会誌. 102(4): 358-362, 2001


症例報告

Multiseptate Gallbladder(多隔壁胆囊)の3例

1) 岩手県立宮古病院 外科
2) 岩手県立中央病院 病理科

菅原 俊道1) , 亀井 真理1) , 鈴木 克1) , 岡田 伸之1) , 佐藤 雅夫1) , 小野 貞英2)

I.内容要旨
Multiseptate Gallbladder(多隔壁胆嚢)は非常に稀な先天性形態異常であるが,我々は過去に2例の本症を経験し,今回更に3例目を経験した.今回の症例は70歳男性,無症状であったが近医でのスクリーニング超音波検査にて胆嚢腫瘍を疑われ当院消化器内科紹介受診.諸検査の結果,胆嚢腺筋腫症が疑われたが,胆嚢腫瘍も否定できないため手術の方針となり外科に紹介,胆嚢摘出術施行した.病理組織所見では胆嚢内は体部から底部にかけて線維性結合織で隔てられた腔が存在し,隔壁には固有筋層の筋線維が移行していた.内面は立方状から円柱状の上皮で覆われ,粘液嚢胞腺腫の所見であった.また部分的に上皮が乳頭状に増殖し癌の所見を呈していた.
我々の検索し得た範囲では本症に癌を合併したという報告は見あたらないため,過去の2例とあわせてここに報告する.

キーワード
Multiseptate Gallbladder, 多隔壁胆囊, 胆囊奇形


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