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日外会誌. 102(3): 291-293, 2001


特集

外科学-新しい潮流

III.我が国における理想的な外科専門医制度
2.これからの外科系専門医制度に思う

新潟国際情報大学長 新潟大学名誉教授

武藤 輝一

I.内容要旨
現在,日本外科学会を中心に関連外科系学会を含めて検討されている外科専門医修練カリキュラム(案)の大綱に賛意を表する.
外科専門医を第一群(specialty)とし,消化器外科専門医,心臓血管外科専門医,呼吸器外科専門医,小児外科専門医を第二群(subspecialty)に入れる.第二群の専門医となるためには第一群の外科専門医であることを必須条件とする.厚生省の定める初期臨床研修の2年は外科専門医となるための研修期間の中に含め,外科専門医になるための研修期間を4年以上とする.但し,外科専門医のほとんどが外科系第二群の専門医となるか,あるいは後述する第三群の専門医になると考える場合は研修期間を4年以上と考えてよいが,外科専門医が総合外科専門医の立場で,これだけで一人立ち可能と評価されうる専門医であるとするならば,5年以上の研修期間とし,カリキュラム内容も濃厚で,やや高度のものとする必要がある.第二群の外科系専門医の研修期間が3年以上というのも適当と思われる.日本消化器病学会,日本呼吸器学会,日本循環器学会などの専門医は第三群の分類となるが,外科専門医となった後,外科系第二群の専門医とならず,この第三群に属する専門医への道を選ぶことも可能と考えるべきであろう.
現在の学会認定医制度協議会を全国組織の日本専門医資格認定機構あるいは日本専門医制度機構(仮称)に改組し,各種専門医制度の統合母体として,横の連携を計り,内部各種専門医制度に対しては勿論,行政機関も含めた外部機関に対しても提言や勧告のできる組織としたい.この組織には日本医師会,日本医学会,行政関係者,一般有識者などに参加して頂く.

キーワード
外科専門医, 消化器外科専門医, 心臓血管外科専門医, 呼吸器外科専門医, 小児外科専門医


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