[書誌情報] [全文PDF] (2036KB) [会員限定・要二段階認証]

日外会誌. 102(3): 288-290, 2001


特集

外科学-新しい潮流

III.我が国における理想的な外科専門医制度
1.より理想的な外科専門医制度への提案

東京大学 名誉教授

出月 康夫

I.内容要旨
外科の進歩は必然的に外科領域の専門分化をもたらす.外科医療における専門医制度は今や時代の要請であり,きちんとしたトレーニング制度と資格認定試験に基づいたこの制度の構築は,国民の健康の維持と増進に役立つ.従来から,日本外科学会は認定医制度を創設して外科医の教育と外科医療のレベルの向上に努めてきたが,さらに関連外科系学会と協力して,外科専門領域のトレーニング制度,資格認定制度,更新制度を整備して外科専門領域の専門医制度を確立する必要がある.現在,実施されている専門医認定制度は,それぞれの学会が独自に創設し,運営してきたものであるが,国民にわかりやすく,社会から広く認知されるためには,専門医制度間の調整が必要で,整合性のとれた制度を新たに構築する必要がある.現状に適合した外科専門医制度とはなにかを探り,その実現のためへ具体案を示した.すなわち,消化器外科については,さらに臓器別に細分化すること.心臓血管外科は,心臓外科と血管外科に分離することが,より現実的であること.内分泌外科を専門領域として確立することなどを提案した.

キーワード
外科専門医制度, 専門医制度, Subspeciality, 医療情報


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。