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日外会誌. 101(7): 486-489, 2000


特集

QOLから見た呼吸器外科

3.肺癌の縮小手術-術前PDTによる縮小手術-

東京医科大学 第1外科

小中 千守 , 臼田 実男 , 加藤 治文

I.内容要旨
肺癌患者の増加に伴い,特に高齢者肺癌の増加が顕著であり,低肺機能患者に対する根治的治療法の開発などが21世紀の肺癌治療戦略上,非常に重要である.同時に肺癌術後のQOLを低下させないことも今後の課題である.現在,肺癌術後に低肺機能による呼吸不全で死亡する症例もまれではない.そこで,我々は早期中心型肺癌に対して良好な成績をおさめてきた光線力学的治療法(PDT)と手術を組み合わせることにより,肺の切除範囲を縮小するだけでなく,より低侵襲の手術が可能になり,呼吸機能の温存,術後QOLの改善につとめてきた.手術不適応と診断された5例中4例がPDT施行により手術適応となり,一側肺全摘の適応であった19例中17例に肺葉切除またはスリーブ肺葉切除が可能となった.

キーワード
肺癌縮小術, 光線力学的治療 (PDT), quality of life (QOL)


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