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日外会誌. 99(5): 308-311, 1998


特集

呼吸器悪性腫瘍の最新の治療方針

6.胸腺関連悪性腫瘍の治療方針

徳島大学 医学部第2外科

門田 康正

I.内容要旨
胸腺腫,胸腺癌,胸腺カルチノイド,胚細胞性腫瘍の治療方針について述べた.
いずれの腫瘍にも手術は不可欠の治療法である.胸腺腫では手術が第1選択である.浸潤胸腺腫では術後に放射線療法,化学療法を追加する.完全切除ができない場合でも外科治療の意義がある.CDDPをベースにした多剤併用療法が行われる.
胸腺癌は種々の組織型があり,治療法も定まっていない.有効な化学療法が明らかでないので,完全切除以外に有効な治療法はない.
我々はCDDP+ADM+CPA+VCRを用いて有効との感触を得ている.
胚細胞性腫瘍(GCT)中,セミノーマは手術+放射線療法または化学療法でほぼ満足できる成績が得られている.非セミノーマ性GCTはCDDPを中心として化学療法→手術→化学療法により治療成績は向上したが,満足すべき状態にはない.

キーワード
胸腺関連腫瘍, 胸腺腫, 胸腺癌, 胚細胞性腫瘍, 治療


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