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日外会誌. 99(4): 219-222, 1998


特集

肝細胞癌外科治療の現況

4.ステージ別の切除遠隔成績

国立がんセンター中央病院 外科

山崎 晋 , 小菅 智男 , 山本 順司 , 島田 和明

I.内容要旨
肝細胞癌のStage別切除後生存率を検討した.術後5年ではStage 1,2,3,4の順に69.6%,54.2%,35.9%,30.2%でStage順に良好であり,いづれの隣接する2 Stage間には一般化Wilcoxon検定で有意差があった.しかし術後5年を越え20年までの長期観察では,生存率曲線は一部で交差し,術後5年以上では,初発癌の解剖学的進展度の影響が薄れ,別の要因による多中心性多発の影響が生存率に反映されるものと考えられた.また,各Stageを肝機能の良(臨床病期I)・不良(臨床病期ll,III)に分けて生存率を検討したところ,肝機能不良群の生存率は,ひとつ悪いStageの肝機能良好群のそれより劣ることが判明した.肝細胞癌の予後はStageで示される癌の進行程度とともに,肝機能の程度も強く関与する.

キーワード
Hepatocellular carcinoma, Hepatectomy, Survival rate, TNM stage, Liver function


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