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日外会誌. 98(8): 706-712, 1997


総説

肝再生における新しい概念

1) 新潟大学 医学部第1外科学教室
2) 京都大学 移植免疫医学講座

佐藤 好信1)2) , 塚田 一博1) , 田中 紘一2) , 畠山 勝義1)

I.内容要旨
肝切除後肝再生早期には,急な肝内門脈血流の変化と免疫系の変化を伴う.しかし現在まで肝再生における肝内の免疫系の変化,および血流との関係についてはほとんど検討されていない.血流と内皮細胞,そして白血球と内皮細胞との関係が明らかになってきているが,肝再生のメカニズムおよびその調節機構としての免疫系に門脈血流が重要な働きを及ぼしている可能性が考えられる.本稿においてMHC(主要組織適合系)クラスⅠ,Ⅱ分子拘束性細胞性免疫を中心とした肝再生への免疫系の関与,また肝再生過程早期における自己応答性のT,B細胞の活性化について,そしてshear stressとしての門脈圧の肝再生と肝内免疫に及ぼす影響についての著者の考えを概説する.

キーワード
肝再生, shear stress, 細胞性免疫


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