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書誌情報]
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日外会誌. 94(7): 702-706, 1993
原著
CT 画像による簡便な肝容積測定法
I.内容要旨CT画像より切除量の計測が簡便に行える方法を考案した.それを術前の切除術式の決定,および術後肝再生の判定の一指標として用い,臨床上有用性を認めた.最近3年間の1区域以上の切除を行った肝細胞癌35例を対象とした.術前および術後4ないし6週の肝CT画像を用い,コンピューター(PC-9801)に接続したコリメーター(X-PLAN360i)によりトレースすることにより各スライスの面積を計測した.本方法により推定した切除予定の推定肝容積と,実際の切除肝重量との間には有意の正の相関が認められた.腫瘍容積を除いた有効肝切除率が高いほど肝容積増加率は高値であった.また,肝硬変の程度が強い程肝容積増加率は低値であった.術後肝不全を発症した例では肝容積増加率は有意に低値であり,残肝機能の推定に有用であった.本方法は特別の装置,手技を必要とせず撮像済みの画像をいつでも任意に用いることができ, 日常臨床上有用である.
キーワード
肝細胞癌, 肝切除, CT, 肝容積, 肝再生
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