[書誌情報] [全文PDF] (1556KB) [会員限定・要二段階認証]

日外会誌. 94(6): 637-644, 1993


原著

家兎動脈硬化モデルの血管縫合部におけるコレステロール食餌の影響
―特に血管吻合部晩期閉塞との関係―

東京医科歯科大学 第2外科

水口 博之

(1991年11月6日受付)

I.内容要旨
家兎の腹部大動脈に内皮剥離操作を施行し2週後に半周性の血管縫合を行い,以後0.1%コレステロール食を投与, 3カ月後に屠殺,標本を採取検鏡し,内膜肥厚度(内膜・中膜比)と内膜の核占有率を計測した.コントロール群に比し,縫合部に局在する強度の内膜肥厚をコレステロール投与群に認めた.同部の核占有率は有意に低下し,弾性線維の変性と顕著な膠原線維の増生を呈した.これらの結果はコレステロール食餌が血管吻合部晩期閉塞の原因となる吻合部内膜肥厚を助長する一因子であり,かつその影響は動脈硬化血管の吻合の際に特に強いことを示唆するものと考えられる.

キーワード
Atherosclerosis, Intimal hyperplasia, Late anastomotic stenosis


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。