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日外会誌. 94(4): 420-423, 1993


症例報告

von Recklinghausen 病に合併した両側腰動脈破裂の1例

1) 大阪鉄道病院 外科
2) 大阪鉄道病院 放射線科

清水 義博1) , 田中 承男1) , 中江 晟1) , 糸井 啓純1) , 松井 英1) , 藤田 正人2) , 秋本 正一2)

(1991年9月3日受付)

I.内容要旨
von Recklinghausen病(以下, R病と略す)に多数の合併症があることは知られているが, 血管病変に関する報告は少ない.特に自然動脈破裂は極めて稀であり, 出血原因に関しては不明な点も多い.今回, 我々は, 両側腰動脈破裂による出血であることを診断でき, 血腫除去術を施行し得た1例を経験したので報告する.症例は50歳男性で, 昭和53年にR病と診断されている.突然誘因無き右腰痛が出現し, 右下肢知覚異常及び貧血が出現し本院入院となった. CT, MRI, 血管造影検査で両側L3の腰動脈よりの動脈瘤様の構造がみられ, そこから腸腰筋内への出血と診断され, 血管結紮と血腫除去を目的として手術を施行した.出血部位には, 神経線維腫や血管様構造物は存在せず, 腰動脈の自然破裂による出血であった.

キーワード
von Recklinghausen 病, 自然動脈破裂


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