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日外会誌. 94(4): 416-419, 1993


症例報告

甲状腺 Hyalinizing Trabecular Adenoma の1例

横浜市立大学 医学部第1外科

呉 吉煥 , 杉野 公則 , 岩崎 博幸 , 向井 克彦 , 松本 昭彦

(1991年9月10日受付)

I.内容要旨
極めて稀な甲状腺hyalinizing trabecular adenoma一例を経験した.本症例の病理組織学所見の特徴として, 1)穿刺吸引細胞診では, 腫瘍細胞はピンク色に染色されたhyaline acellular areasを中心に不規則に集合し楕円形から紡錘形を呈し, 一部の細胞質は繊維状となり境界が明瞭であった.更にintranuclear "holes"およびnuclear groovesなどが多数認められた. 2)病理組織診では, 腫瘍細胞は紡錘形, 類円形を呈し, その細胞質は良染性でthyroglobulin染色腸性, calcitonin染色陰性であった.核は大小不同で一部では核異型が強く, 核内細胞質封入体も認めた.これらの細胞は索状構造を示し, その中心に結合識の硝子様変化が認められ, 放射状配列を示した.この硝子様変化はPAS染色, Laminin染色腸性, Cong red染色陰性であった.

キーワード
甲状腺腫瘍, Hyalinizing trabecular adenoma


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