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日外会誌. 92(10): 1426-1435, 1991


原著

食道癌壁内転移の臨床病理学的検討

癌研究会付属病院 外科

関 誠

(1990年9月20日受付)

I.内容要旨
食道癌の壁内リンパ行性転移を知る目的で,食道癌207例を対象に壁内転移巣,原発巣から5mm以上離れたリンパ管侵襲(distant-lyとする)について臨床病理学的検討を加えた.壁内転移巣は21例(10%)に31病巣がみられ,distant-lyは19例(9%)に85病巣がみられた.壁内転移巣,distant-lyともに主座は,1pm, smが多く,原発巣からの距離はともに5cm以内が大部分であった.壁内転移巣の方向性は口側,肛門側に大差はなかったが,distant-lyはやや肛門側に多かった.原発巣の口側に壁内転移があると67%に上縦隔のリンパ節転移がみられ,肛門側では100%に胃上部周囲リンパ節転移がみられた.壁内転移例の予後は不良で50%生存期間は1年であった.

キーワード
食道癌壁内転移, 食道癌併存副病変, リンパ管侵襲


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