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日外会誌. 92(4): 397-400, 1991


原著

sm 胃癌における核 DNA 量とリンパ節転移についての検討

1) 群馬県立がんセンター 外科
2) 群馬大学 医学部第1外科
3) 群馬県立がんセンター 病理
4) 群馬大学 医学部第2病理

橋爪 立雄1) , 山浦 武彦2) , 福田 敬宏1) , 杉原 志朗3) , 中島 孝4) , 長町 幸雄2)

(1990年3月23日受付)

I.内容要旨
早期胃癌の範疇に分類される深達度smの胃癌に対し,リンパ節転移の有無別に,核DNA量と腫瘍の悪性度について検討した.DNA ploidy patternは,D型,A1型,A2型の3型に分類した.リンパ節転移の有無別にDNA ploidy patternをみると,sm,n(+)では,D型5%(1/20),A1型35%(7/20),A2型60%(12/20)であった.各DNA ploidy patternにおけるリンパ節転移陽性率は,D型12.5%(1/8),A1型43.8%(7/16),A2型75.0%(12/16)であり,ploidy patternがすすむにつれ,転移陽性率の増加傾向が認められた.sm,n(+)は,早期胃癌であっても,核DNA量の解析からいえば進行癌の範疇に属すと考えられる.従来,主として形態学的にきめられた腫瘍の悪性像に対し,核DNA量は腫瘍細胞悪性度を機能的に反映し,臨床的にも新たな情報を提供すると思われる.

キーワード
sm胃癌, リンパ節転移, DNA ploidy patten


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