[書誌情報] [全文PDF] (1729KB) [会員限定・要二段階認証]

日外会誌. 92(2): 222-224, 1991


症例報告

術前放射線・化学併用療法が著効を示した直腸癌の 1 例

東京医科歯科大学 第2外科

禹 雅祥 , 石田 秀行 , 清松 瑤一郎 , 今城 真人 , 岩間 毅夫 , 三島 好雄

(1990年2月19日受付)

I.内容要旨
患者は64歳の男.主訴は鮮血便で,直腸腫瘤を触知した.入院時直腸指診で肛門縁より約6cm右後壁寄りに弾性硬可動性のある腫瘤を触知し,腫瘍は注腸X線上,大きさ2.5×2.0cmの偏平隆起性病変であり,生検により高分化型腺癌,Group 5と診断された.術前評価はRb',Is',PM',とされた.この病変に化学療法(ACNU 30mg/m2/週×3週, PSK 3g/日×3週)と放射線療法(2.5Gray/回,総腺量30Gray)を行い,照射終了後2週目に低位前方切除術(Rb,IIa,Po,Ho,N(-),stage I)を施行した.
切除標本の病理組織学的検索では,癌細胞は認められず,照射の効果は大星・下里の分類でGradeIVBと診断された.術前照射有効例についての文献的考察を加えて報告した.

キーワード
直腸癌, 術前化学放射線療法


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。