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日外会誌. 90(5): 681-685, 1989


原著

Borromann 4型胃癌のDNA ploidy pattern

金沢大学 医学部第2外科

米村 豊 , 杉山 和夫 , 鎌田 徹 , 藤村 隆 , 山口 明夫 , 三輪 晃一 , 宮崎 逸夫

(1988年6月8日受付)

I.内容要旨
Borrmann 4型胃癌76例の原発巣パラフィン包埋ブロックを用い, DNA ploidy patternを決定し,ploidy patternと病理組織学的因子および予後との関連について検討した.
DNA ploidy patternは,diploid 26例(34%),aneuploid 50例(66%)であった.組織型,深達度,リンパ管侵襲,腹膜播種の有無,手術根治度とDNA ploidy patternとの関連はみられなかった.一方,リンパ節転移ではn3.4の転移高度な例がaneuploidで52%,diploidで31%にみられた.また静脈侵襲陽性率は,diploid 35%,aneuploid 53%と有意にaneuploidで高率であった(p<0.05). DNA ploidy patternと予後をみると治癒切除では5生率はdiploid 54%,aneuploid 21%,切除例全体ではそれぞれ28%,8%と有意にdiploidが良好であった.
以上よりDNA ploidy pattemはBormlann 4型胃癌の予後規定因子の1つになると考えられた.

キーワード
Borromann 4型胃癌, DNA ploidy


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