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日外会誌. 86(1): 55-61, 1985


原著

人肺扁󠄀平上皮癌高度関連抗原の研究(I)
-ゲル内拡散法による検討-

金沢大学 第1外科
*) 金沢大学癌研究所 病態生理部

山田 哲司 , 渡辺 洋宇 , 小林 弘明 , 岩 喬 , 岡田 収司*) , 倉田 自章*)

(昭和59年2月22日受付)

I.内容要旨
腫瘍細胞における腫瘍特異(あるいは高度関連)抗原の存否は,現在精力的に行なわれている腫瘍の血清学的診断,特異免疫療法などの基本となる重大な意味を持つている.
著者らは肺扁平上皮癌高度関連抗原の存在の有無を明らかにするため,次のような研究を行つた.すなわち外科的に切除された肺扁平上皮癌より抽出した不溶性画分をデスオキシコール酸で可溶化し,これを免疫抗原としてモルモット抗血清を作成した.適当な吸収を行つた抗血清を用い,免疫学的検討を行つたところ,扁平上皮癌に共通する細胞膜性抗原の存在することを認めたが,これは各種胎児組織,各種正常臓器を含む他臓器癌には存在が見られなかつた.

キーワード
肺癌高度関連抗原, 肺癌, 胎児抗原, carcinoembryonic antigen


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