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日外会誌. 85(5): 409-414, 1984


原著

開心術後低心拍出量症候群に対するDBcAMPの効果
-血行動態からの検討-

東京医科歯科大学 第2外科

山田 崇之 , 中原 秀樹 , 金子 博 , 今関 隆雄 , 横山 基幹 , 三島 好雄

(昭和58年6月24日受付)

I.内容要旨
DBcAMP 0.05~0.3mg/kg/minを開心術後低心拍出量症例の I群 (n=9): CI<2.2l/min/m2 II群 (n=21): 3.0≧CI≧2.2l/min/m2, III群 (n=9):C>3.0l/min/m2, IABP施行群 (n=4)並びに β 受容体剌激剤 (dopamine, dobutamine 2.5~30μg/kg/min)投与群 (n=16)に投与し血行動態におよぼす効果を比較検討した.DBcAMP投与は血行動態的には低心拍出量症例,IABP施行群, β 受容体剌激剤投与群においても CI≧2.2l/min/m2の疾患群同様に作用し,心拍出量増加,1回拍出係数増加,全末梢血管抵抗低下をもたらした.
DBcAMPは β 受容体-adenyl cyclase系を介さずに直接心筋細胞内に入り,cyclic AMPとなり陽性変力効果をもたらし, β 受容体剌激剤不応状態の低心拍出量症例に対しても極めて有効である事を確認した.

キーワード
DBcAMP, 低心拍出量症候群, IABP, β受容体剌激剤, 血行動態


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