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日外会誌. 121(1): 69, 2020

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手術のtips and pitfalls

「最新の直腸癌手術におけるtips and pitfalls」によせて

東邦大学医療センター大森病院 一般・消化器外科

小池 淳一



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直腸癌の手術はHealdらが提唱したTotal Mesorectal Excision(TME)が標準術式として行われています.現在では良好な拡大視効果や低侵襲性などから腹腔鏡手術でのTMEが普及していますが,欧米でのALaCaRT trialやACOSOG Z6051 trialにおいて,直腸癌での腹腔鏡手術は開腹手術に対して病理学的に安全な手術としての非劣勢を証明できませんでした.理由の一つとして,肥満やBulky tumor,狭骨盤の症例において,従来の腹腔側アプローチでは限られた方向からの骨盤内操作になる為,TMEに加えて肛門温存術の難易度が高くなると考えられており,術式の工夫が求められています.そこで今回『手術のtips and pitfalls』では最新の直腸癌手術について二人のエキスパートの先生に手術法の解説をお願いしました.札幌医科大学消化器・総合,乳腺・内分泌外科,竹政伊知朗先生には,肛門側からのアプローチであるtrans anal TME(taTME)についてお願いしました.近年,欧米から直腸癌に対するtaTMEの有用性が報告され,本邦でもトピックスとして急速に普及していますが,肛門側からの解剖的ランドマークの同定が困難な術式なため,正しい剥離層のために肛門側からの解剖学的知識が必要な術式です.次に藤田医科大学総合消化器外科,花井恒一先生には直腸癌に対するロボット支援手術について解説をお願いしました.ロボット支援手術は良好な拡大視効果に加え,自由度の高い多関節の高性能鉗子により精緻な手術が可能です.最近ロボット支援手術は直腸癌でも保険収載され,今後本邦において症例数の増加が予想されます.両先生とも多くの手術執刀経験,指導をされており,今回の企画が会員の先生方に明日から役立つものと考えます.

 
利益相反:なし

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