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日外会誌. 121(1): 2, 2020

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会員へのメッセージ

日本外科学会が迎える「大還暦」を祝う記念事業

第120回日本外科学会定期学術集会会頭,慶應義塾大学外科 

北川 雄光



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本年2020年の第120回定期学術集会において日本外科学会は,人の生涯に例えれば「大還暦」を迎えることになります.そこで,本学会ではこれを記念して第120回記念事業の準備を進めております.第120回定期学術集会の会頭を仰せつかっております北川が準備委員長を務め,記念式典を東京医科大学 池田徳彦先生(理事)に,記念誌を名古屋大学 小寺泰弘先生(理事)にご担当頂いております.
今回,第120回定期学術集会のテーマは「命と向き合い 外科医として生きる-To live as a surgeon:Looking life in the eye-」といたしました.昨今,若手医師たちが命と関わる医療のリスクを敬遠する傾向があります.この傾向が外科志望者減少傾向の一因にもなっていると言われております.今回の定期学術集会では命と向き合い,時には様々な重圧を乗り越えて外科医として自らを磨きながら生きることの喜び,素晴らしさを会員の皆様とともに,そして若手外科医や研修医,医学部生の皆様とともに見つめ直し,志を次世代へ繋いで参りたいと考えております.定期学術集会二日目に開催する記念式典では,「未来を担う若手外科医からのメッセージ」を35歳以下の若手外科医あるいは研修医,医学部生数名に語っていただきます.テーマは外科医を志した理由や,理想の外科医像,日本外科学会への要望など自由に選んでいただきました.2019年7月末の時点で全国から100名の応募をいただき,現在式典で登壇していただく演者を選考しているところです.また,日本外科学会としてこうした若者たちのためにどのようなことができるのか,「未来のための今:横浜宣言2020」を策定し,式典の最後に公表する予定としております.この学術集会では,一貫して「命と向き合い 外科医として生きる」ことを様々な観点から見つめ直す第120回特別企画を設けました.研修医,医学部生の皆様は参加費を無料としておりますので,こうした数々の特別企画を通して,外科医という職業の魅力,醍醐味を感じていただけたら幸いです.
第120回記念誌は,これまでの外科学会の歩みを振り返るだけでなく,今後外科学の発展においてクリアしなければならない様々な課題を取り上げて,そうした課題に取り組んでくださっている担当理事の皆様や関連の深い会員の皆様で座談会を開催していただき,将来を展望することとしております.2020年時点でわれわれが何を考え,何を目指して行動していたかをしっかりと記録に残すことも重要であると考えています.外科医不足と医師の地域偏在,労働環境問題,医療安全・リスク管理,男女共同参画や新専門医制度の行方など外科医療を取り巻く様々な課題を正面から見つめ直して,未来を模索する機会となれば幸いです.この第120回記念事業が「大還暦」を経て次の時代への歩み出す日本外科学会の行く手を照らす篝火となることを願ってやみません.会員の皆様のご支援,ご参画を心よりよろしくお願い申し上げます.

 
利益相反:なし

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