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日外会誌. 127(1): 52-57, 2026
特集
小型肺癌に対する診断治療の工夫
7.小型肺癌に対するRATS肺区域切除術のコツ
内容要旨
Robotic-Assisted Thoracic Surgery (RATS)は,3次元視で多関節鉗子を用いた繊細な操作が可能であるため,複雑で立体的な解剖を切離する肺区域切除では有用であるが,小型肺癌に対して腫瘍を触知しながらマージン確保が困難である.われわれは様々の工夫をして小型肺癌に対して安全・確実な切除を可能とするRATS肺区域切除を確立しており紹介する.
3D-CTでシミュレーションし症例毎に解剖の違いを把握し,腫瘍からマージン確保しつつ最小限の切除範囲で行える術式を“個別化肺区域切除”と呼び行っている.これを実践するためには全ての区域・亜区域を切除する技術が必要で,腫瘍が単区域で切除可能であれば単区域切除,区域間隣接病変であればマージン確保のため亜区域合併切除を行う.腫瘍の触知は必要なくシミュレーション通り行うことが重要となる.この複雑な手術は術者の両手操作と助手の協調操作で行うことができ,シミュレーション通り正確に行うためには中枢区域間を十分切離し複雑な中枢解剖を露出することが必要である.また亜区域レベルの切除では末梢断端ガイド法と称した方法が有用で,亜区域気管支または肺動脈を切離後,その末梢断端を挙上することにより肺実質に埋もれた伴走する亜区域動脈または気管支の同定が可能となる.末梢区域間の切離ではSure Form 60を用いて肺の変形が最小限となるように多方向からの切離ラインで行うと良い.
これらの工夫を駆使することにRATS肺区域切除は標準化できる方法となると考えている.
キーワード
RATS, 肺区域切除, 中枢区域間切離, 亜区域合併切除, SureForm60
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