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日外会誌. 127(1): 58-63, 2026


特集

小型肺癌に対する診断治療の工夫

8.小型肺癌手術に対する区域切除時のリンパ節郭清

大阪国際がんセンター 呼吸器外科

馬庭 知弘 , 岡見 次郎

内容要旨
Japan Clinical Oncology Group(JCOG)JCOG0802 /West Japan Oncology Group(WJOG)WJOG4607Lは小型末梢非小細胞肺癌に対する肺葉切除と区域切除の大規模なランダム化比較試験である.区域切除群が肺葉切除群を生存で上回り,今後これらの症例群に対して区域切除が標準術式の一つとなる.JCOG0802/WJOG4607L試験では肺葉切除群,区域切除群ともに縦隔リンパ節郭清が必須であった.しかし,非小細胞肺癌に対してCahan による“radical lobectomy”が提唱されて以降,リンパ節郭清は肺葉切除とともに発展してきた経緯があり,区域切除におけるリンパ節郭清は不明な点がある.
リンパ節郭清の目的は,転移リンパ節切除による局所コントロールとリンパ節評価による正確なステージングである.実際,JCOG0802/WJOG4607L試験では1,106例中,65例(5.9%)はリンパ節転移があり,同側肺門リンパ節再発は12例(1.1%),同側縦隔リンパ節再発は30例(2.7%)であった.また,免疫チェック阻害剤や分子標的治療剤などの強力な術後補助療法が出現し,リンパ節郭清による正確なリンパ節の評価はさらに重要となっている.一方で,リンパ節郭清による副作用として,出血量の増加,手術時間の延長,合併症の増加 (乳び胸,嗄声,不整脈など)が存在する.そのため区域切除における至適リンパ節郭清の確立が必要と考える.

キーワード
小型肺癌, 区域切除, リンパ節郭清


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