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日外会誌. 124(5): 422-430, 2023


特集

外科医によるこれからの癌薬物療法―最新知識と安全で効果的な遂行のコツ―

7.肺癌における周術期薬物療法

1) 国立がん研究センター東病院 呼吸器内科
2) 国立がん研究センター東病院 呼吸器外科

田中 悠1) , 善家 義貴1) , 後藤 功一1) , 坪井 正博2)

内容要旨
非小細胞肺癌(NSCLC)の周術期薬物療法は殺細胞性抗がん剤を用いた術後補助化学療法が中心であった.近年,進行期NSCLCの治療に基づいて分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬を用いた周術期治療の開発が急速に進み,病理病期Ⅱ-Ⅲ期,EGFR遺伝子変異陽性NSCLCに対する術後補助療法としてオシメルチニブ,PD-L1陽性NSCLCに対する術後補助療法としてアテゾリズマブ,更に,病理病期ⅠB-Ⅲ期,切除可能NSCLCに対する術前のニボルマブ+プラチナ併用化学療法があらたに承認された.本稿では,目覚ましく進歩する周術期治療の現在のエビデンスと問題点について整理し,現在,われわれが取り組んでいる周術期の個別化医療の発展と新たなバイオマーカーの確立を目指した大規模前向き観察研究(LC-SCRUM-Advantage/MRD)について紹介する.

キーワード
非小細胞肺癌, 周術期治療, 分子標的薬, 免疫チェックポイント阻害薬, LC-SCRUM-Advantage/MRD


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