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日外会誌. 123(4): 330-338, 2022


特集

医療訴訟のここがポイント―外科医にとって今必要な知識―

6.診療拒否に関する訴訟―特に患者側の迷惑行為について―

弁護士法人棚瀬法律事務所 

棚瀬 慎治

内容要旨
医療者の診療拒否の是非が争われた裁判例64件の分析を行ったところ,応招義務違反など医療者の行為の違法性が認められた裁判例は11件にとどまった.
患者側の迷惑行為や,医療者と患者側との間の信頼関係の喪失を原因として診療拒否がなされた類型については,ほとんどの裁判例において医療機関側の主張が認められており,そもそも患者の主張するような診療拒否自体が存在しないと認定する裁判例もみられた.
患者の迷惑行為などで診察治療を実施することが困難な事案においては,診療の提供を行わないという選択肢もあり得ることが示唆された.

キーワード
応招義務, 診療拒否, 訴訟, 裁判例


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