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日外会誌. 122(4): 398-403, 2021


特集

直腸癌治療の温故知新

7.術後合併症―縫合不全の回避に向けた対応―

東邦大学医療センター大森病院 消化器センター外科

金子 奉暁 , 船橋 公彦 , 牛込 充則 , 鏡 哲 , 吉田 公彦 , 長嶋 康雄 , 三浦 康之 , 栗原 聰元

内容要旨
直腸癌手術における縫合不全は,術後合併症のなかで最も重要なものの一つである.手術の長い歴史のなかには,縫合不全の回避を目指し様々な視点から多くの研究・対応がなされてきた.男性,腫瘍の位置,大きい腫瘍径は,直腸癌手術においての特徴的な縫合不全のリスク因子と考えられる一方で,縫合不全の発生には多くの要因が複雑に関連しているため術前・術中・術後において多角的な視点に立っての戦略が必要である.
最近ではIndocyanine green(ICG)蛍光測定法による腸管血流評価を利用した縫合不全対策が注目されている.更にLaser speckle flowgraphyやthermographyによる腸管血流評価の新しい試みも行われており,今後の結果が期待される.

キーワード
直腸癌, 縫合不全, 術後合併症, 低位前方切除術


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