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日外会誌. 121(1): 27-33, 2020


特集

蛍光ガイド手術の現状と展望

4.MIPSが拓く新たな時代

1) 京都大学 肝胆膵・移植外科
2) 兵庫医科大学 肝・胆・膵外科
3) 神戸市立医療センター西市民病院 外科

瀬尾 智1) , 波多野 悦朗2) , 西野 裕人1) , 新田 隆士3) , 上本 伸二1)

内容要旨
肝切除術において術前シミュレーションは必須となったが,術中の肝臓の動きや変形には追従できず術中ナビゲーションの開発が期待される.肝切除においてICG蛍光法は肝区域可視化や肝腫瘍同定に有用でリアルタイムの情報を提供しうるが,ハンドヘルドカメラを用いる従来法の継続的な使用は非現実的である.われわれはこれまでエンターテインメントで多く用いられてきたプロジェクションマッピングの技術を応用し,ICG蛍光画像を直接患者の臓器に投影するシステムMedical Imaging Projection System(MIPS)を産学連携プロジェクトとして共同開発し,改良を重ねてきた.MIPSを用いることで術中リアルタイムナビゲーションが可能となったが,これまでの使用経験からICG蛍光法の克服すべき課題も抽出されてきた.今後MIPSが肝切除で普及し他領域手術へ適応拡大されることで,ICG蛍光法および術中ナビゲーションが新たな時代を迎えることを期待する.

キーワード
ナビゲーション手術, プロジェクションマッピング, ICG蛍光法, 肝切除


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