[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (731KB)

日外会誌. 120(1): 18-23, 2019


特集

大腸手術における周術期感染対策―EBMに基づいたbest practice―

3.創感染回避のための正攻法と今後の課題

山形大学医学部附属病院 検査部・感染制御部

森兼 啓太

内容要旨
大腸手術の創感染発生リスクは高く,特に結腸手術において手術部位感染(Surgical site infection,SSI)の70%を占める.創感染防止のエビデンスは主に,アメリカ疾病対策センターと世界保健機構が2017年と2016年にそれぞれ発行したSSI防止ガイドラインに求めることができる.
同ガイドラインで推奨されている対策のうち,大腸手術の創感染防止に特に効果があると考えられるものとして,経口抗菌薬と機械的腸管処置の併施,アルコールベースのクロルヘキシジングルコン酸塩含有消毒薬による術前皮膚消毒,術中の創縁に対する保護デバイス使用,術中および術後数時間の高濃度酸素投与,全身加温による術中低体温の防止,抗菌コーティング縫合糸の使用,陰圧創療法,が挙げられる.
これらは,充分なエビデンスが存在するものもあれば,SSIリスク低減の根拠が弱いものもある.また,大きなコストが発生する対策に関しては,そのコストに見合うだけのSSIリスク低減効果があるか否かが不明確であったり,症例を選択して実施すべき基準が不明確であったりする.これらを明らかにすることが,今後の課題である.

キーワード
創感染, 皮膚消毒, 高濃度酸素, 正常体温, 陰圧創療法

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。