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日外会誌. 119(6): 616-622, 2018
特集
小児短腸症候群・小腸機能不全の最前線
2.ヒルシュスプルング病およびその類縁疾患―成因から再生医療まで―
内容要旨小児期に発症し,腸管の蠕動運動不全をきたす疾患として,ヒルシュスプルング病(H病)とヒルシュスプルング病類縁疾患(H類縁)がある.いずれも明らかな器質的な閉塞病変がないにもかかわらず,腸閉塞症状を呈する疾患であり,広範囲型のH病やH類縁のうち,腸管神経節細胞僅少症(hypoganglionosis, hypo),巨大膀胱短小結腸腸管蠕動不全症(Megacystis Microcolon Intestinal Hypoperistalsis Syndrome, MMIHS),慢性特発性偽性腸閉塞症(Chronic Idiopathic Intestinal Pseudo-obstruction, CIIP)は,予後不良である.H病やH類縁の原因として,これまでにさまざまな遺伝学的/非遺伝学的背景が論じられ,H病に関しては徐々にその背景が明らかになってきた.しかし,治療成績はいまだ満足できるものではなく,原因究明および根治的治療法の確立が求められている.本稿では,H病およびH類縁の概説,遺伝学的/非遺伝学的背景を述べた上で,これら疾患への再生医療の可能性を探ることとする.
キーワード
ヒルシュスプルング病, ヒルシュスプルング病類縁疾患, 再生医療, 幹細胞移植
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