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日外会誌. 119(1): 55-60, 2018


特集

医療の質向上のための取り組み―心臓血管外科―

8.心臓・血管外科手術におけるライブ手術ガイドライン

東京慈恵会医科大学 外科学講座・血管外科

大木 隆生

内容要旨
日本心臓血管外科学会,日本血管外科学会,日本胸部外科学会(三学会)は患者本位の医療安全文化をストイックな姿勢で追及してきた.具体的には,サイトビジットを伴う信頼性の高い全国データベース構築,手術成績の監視と悪かった際の介入・指導制度,許認可権を有するステントグラフト,TAVR,LVADの実施管理委員会の設置,不適切診療の全国調査,そして心臓血管外科ライブ手術ガイドラインの制定などである.本ガイドラインは患者を守ることを目的に作られたが,具体的にはライブ手術施行前後での企画書と報告書の学会への提出の義務化,倫理委員会での承認の義務化,ハイリスク手術や未承認デバイスの禁止,厳格な術者と施設基準などを制定している.基準が厳しい事もあり本邦における心臓血管外科領域のライブ手術がほぼ消滅してしまった.一方,本ガイドラインは三学会会員にのみ拘束力があるため循環器内科のライブ手術は依然として無規制に行われそして盛況である.さらに,その他の患者本位のために設けた仕組みも他領域への拘束力がないために不必要な侵襲的治療や不適切な診療が散見される.心臓血管外科領域で構築された自浄作用や制度を他領域でも活用すべきである.

キーワード
ライブ手術, ガイドライン, 心臓血管外科, 医療安全, プロフェッショナルオートノミー

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